開業後、院長が最も意識する財務数値は「売上」ですが、将来の売上に大きく影響を与える要素の一つに
「新患数」があります。
今回は、開業後にどれくらいの新患数があれば安心できるのか、その目安について考えてみたいと思います。
■ 開業直後の新患数
当然のことですが、開業初月は全ての来院患者が新患です。立地や競合医院の状況はもちろんありますが、
内覧会や開業前の取り組みの結果として、初月の新患数が決まります。
例えば、初月に150人の新患が来られたとします。
これが、2ヶ月目、3ヶ月目…半年後、どのように推移するでしょうか。
ほとんどの場合、初月の新患数が最も多く、開業から時間が経過するに従い、新患数は減っていきます。
しかし、ここで非常に重要なポイントがあります。
それは、半年経過前後で、新患数の減少がストップし、下げ止まる、もしくは再び増加に転じるかどうかということです。
歯科医院の売上を伸ばすために、口コミが非常に重要です。
しかし、初めて医院に来られて、治療を進め、口コミとして広がっていくには当然ながらタイムラグがあります。
口コミが結果として現れるまでは、通常6ヶ月程度かかります。
そのため、開業半年後に新患数が下げ止まるかどうかは、良い口コミが広がっているかどうかを確かめるバロメーターとなるのです。
■ 開業から数年経過後の新患数
開業から数年経つと、新患数は安定し、あまり変動が見られなくなります。
そこで、一つ意識したい数字があります。
それは、
月にチェア台数×10人の新患が、しっかり来ているかどうかです。
例えば、チェア3台なら30人、5台なら50人、といった具合です。
これはあくまで目安ですが、チェア台数×10人の新患が毎月獲得できていれば、売上は緩やかに右肩上がりのトレンドを取るとこが多いです。
一方で、開業から10年以上経過すると、新患数は少しずつ減っていく傾向にあります。
そのタイミングで
・内装リニューアルする
・設備の入れ替えをする
・HPをリニューアルするなど、医院の価値を上げる何かしらの投資をし、再び新患を増やしていけるかどうかが、長く医院を安定させるうえで重要になってきます。
ぜひ、毎月の新患数に一喜一憂するのではなく、年単位でも比較しながらトレンドを掴み、早めの対策を打てるようにしていきましょう。