2014/04/29
クリニックに「経営理念」が必要な理由
早い方はすでにGW突入でしょうか。
大阪はすごい雨でしたね。そんな日は事務所にこもって頭を使う仕事をするに限ります。
ということで、今日は一日ずっと「経営理念」「行動指針」「クレド」をキーワードに考えを巡らせていました。
前から思っていたことですが、「経営理念」って専門的に語ると堅苦しいし意味がわからなくなるんです。
ミッション・・・ビジョン・・・バリュー・・・
ほら?かっこいいけど全然イメージが湧かなくないですか?
なんだか安っぽい作り物、単にきれいごとを並べているだけに思えてきてしまいます。
あくまで「理念」なんだから、もっと心の奥底から自然と湧き出してるもののはず。
理念を持っているのはあくまで「人間」なのだから、もっと情熱を感じられてしかるべき。
なので私はごくごくシンプルにこう考えています。
・理想の医院ってどんな医院?
・患者さんやスタッフさんにどうなってもらいたいの?
・こんなポリシーに従って判断し決断し行動してますよ~
この3本柱でシンプルに考えていいんじゃないかと思います。
実はいま、とある大阪の歯科医院さんで、経営理念の明確化コンサルティングに挑戦しています。
最初は増患対策として何かコンサルティングをと考えていたのですが
医院リーフレット作成、ホームページリニューアル、スタッフの採用システム強化・・・
もっと先に、もっと根本的に見直すべきところがあるんじゃないか、ずっと引っかかっていました。
そして私がたどり着いた結論が「経営理念」から始めることでした。
上場企業のホームページを見ると、例外なく立派な経営理念なり企業理念が掲げられています。
おそらくもっとも有名で多くの経営者に影響を与えたであろう経営理念といえば
京セラ:全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。
ではないでしょうか。
その他、世界で理念経営の教科書とされている企業といえば
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- ザ・リッツ・カールトン・ホテル
- オリエンタルランド
などが挙げられます。
このように、大企業では経営理念がしっかりと掲げられていますが、中小零細企業においては、ほとんどの企業が明確な経営理念を持っていません。
私はこの状況を見て、逆に中小零細企業こそ「経営理念」を明確にしなければならないと考えました。
なぜならば、大企業はすでにブランドが確立され、従業員にとっても顧客にとっても、その会社がどんな会社なのかという企業イメージや社風が浸透していますが
一方の中小零細企業では、それがないからです。
クリニックで何か新しいことを始めようとすると、スタッフさんからこのような意見が出ることが本当に多い。
例えばスタッフブログを交代で書きましょうという提案に対して
「なんでそんなことしないといけないのですか?」
「その分、残業代出るんですか?」
「忙しすぎるので無理です」
これって、視点が全て内向き、つまりは自己中心的な考え方になってしまっている証拠です。
本当は仕事って、誰かの役にたったり、自分が成長できたり、チームでの達成感を味わえたり
お金以外の喜びがたくさんあるはずです。
それを気づかせてあげて、導いてあげるのが「経営理念」のもっとも大きな役割だと考えています。
これに加えて、院長自信の判断のブレを防止し、また難しい判断を迫られたときのストレスを軽減するという効果も大きい。
もっといえば
・スタッフに注意がしやすくなる
・理念に共感するスタッフが集まってくる
・スタッフに自主性が生まれる
などいいことずくめ、もはや「経営理念」を作らない理由はありません。
できれば、開業を決意した段階に理念(診療理念も含む)を作りこみ、それをホームページや内装に至るまで細部に落とし込んでいくというのがタイミング的にはベストです。
しかしすでに開業して10年20年経ってしまったという先生でも、まったく遅くありません。
「何かを変えよう」と決意されたとき、まず「経営理念」づくりから始めてみましょう。