以前のブログで「歯科医院の開業資金は最低でも4500万必要」という記事を書きました。
今回のテーマは、この4500万をどのように用意するか、つまり資金調達のお話です。
● 自己資金が500万以下のDrがほとんど弊事務所では数多くの開業融資案件をお手伝いしてきましたが
そのほとんどが、自己資金500万以下という厳しい条件でした。
金融機関からは総融資額の20%の自己資金が望ましい、なんて話をされることがありますが
実際は最低でも10%(借入3000万なら自己資金300万)あれば、交渉のテーブルに着くことができるでしょう。
住宅ローンの頭金と同じようなイメージです。
● どの金融機関から融資を受けるかひとことに金融機関といっても、都市銀行から地方銀行、信金や政府系機関など、その種類は多岐に渡ります。
しかも最近では、ほとんどの金融機関が開業するドクター向けの融資商品を用意しており
案内チラシを見ると、それぞれの特長、強みが打ち出されています。
しかし、初めて融資を受けようとする先生方にとっては、いったいどこがどう違うのか、どこが有利なのか、思わぬリスクがあるんじゃないか、とてもじゃないが自分では選べないというのが正直なところではないでしょうか?
● お金を借りる金融機関の選び方(5つのポイント)開業融資を申し込む先を決めるうえで、特に重要なポイントを5つ挙げてみます。
①借りやすさ(審査の方法、着眼点)
②担保や保証人が必要かどうか(無担保無保証で借りられるところもあります)
③借入期間(何年返済で借りられるか)
④借入限度額(MAX1500万といった場合もあります)
⑤金利(もちろん低い方が◎)
多くのDrは金利が0.1%低いからという理由で金融機関を決めてしまいますが、私はオススメしません。
なぜならば、「融資を受けられなければ開業できない」という最大のリスクをまずは回避することが先決だからです。
つまり、①②をまずは最優先で検討すべきです。
その次が③の借入期間。これは10年で借りるか15年で借りるかによって、開業後の返済額が大きく変動し、つまりキャッシュフローが一気に厳しくなるリスクがあるからです。
ここは事業計画全体を見ながら慎重に判断すべきです。
<具体例>
借入5000万、金利2%、 借入期間15年の場合
月々返済額(利息込):36万借入5000万、金利1.5%、借入期間10年の場合
月々返済額(利息込):48万④については、複数の金融機関を組み合わせることも検討すべきです(いわゆる協調融資)。
そして最後に金利面。
「○○先生ならA銀行とC銀行は大丈夫そうだ、ならば金利の低いC銀行さんと交渉しよう」
この部分の見極めが会計事務所の腕の見せ所です。
次回ブログでは、金融機関別の特徴を具体的に解説していきます。