前回の税理士に続き、今回は「社労士」について掘り下げていきたいと思います。
社労士の正式名称は「社会保険労務士」、つまり社会保険や労務(雇用契約や勤怠管理など)についての手続やアドバイスを行える専門家です。
しかし、社労士の活躍の幅はそれだけにとどまりません。
業務内容は非常に多岐に渡りますが、今回は歯科医院開業・経営に関わりの深いものをいくつかご紹介します。
1.給与計算
歯科医院で必ず必要となる業務に給与計算があります。
院長自身がされる場合、院長のご親族が手伝われる場合、もありますが、やはり本業である社労士に依頼することをお勧めしています。
給与計算の中には、残業代の計算方法、有給休暇のルール、など法律にのっとって処理すべき項目が目白押しです。
また、天引きすべき保険料なども毎年変わるため、専門家でない院長が情報を追いかけるのは非常に大変です。
しかも、万が一計算を間違えてしまったとなると、院長が一気に信用を失ってしまうことになります…考えただけでゾッとしますよね。
2.スタッフ入社時、退職時の手続
オープニングスタッフを採用するとき、開業後にスタッフ増員をする時、様々な手続をする必要があります。
例えば
①雇用契約書
②雇用保険の加入
③社会保険加入
院長自らすることもできますが、社労士に依頼することで、ミスなく迅速に手続を完了させることができます。
またスタッフからの難しい質問に対しても、社労士が直接回答してくれたら院長としては助かりますよね。
3.労働保険や社会保険の定期的な届出
開業して初めて知る手続は以外とたくさんあります。
例えば
・労働保険の年度更新という手続を年に1回しなければいけない
・社会保険の算定基礎届を年に1回出さなければいけない
・賞与を支給したあとには賞与支払届を出さないといけない
顧問社労士がついていれば、これらを漏れなくやってもらうことができるので安心です。
4.就業規則の作成
就業規則の作成をしたいと思えば、そこは税理士ではなく社労士の出番です。
ひな型であればネットから拾ってくれば良いのですが、医院にあった就業規則、リスクをしっかり意識した就業規則、を作る場合には社労士の力が不可欠です。
5.助成金申請
補助金、助成金、給付金・・・似たような名前がたくさんあるのでややこしいですが、助成金申請は主に社労士の仕事です(厚労省管轄のもの)。
・契約社員を正社員に転換したときにもらえる助成金
・働きやすい職場にするためのルール変更をした際にもらえる助成金
など、助成金にも種類がたくさんあります。その中で、どれが使えるのかを先回りしてアドバイスしてくれる社労士だと、院長としてはうれしいはずです。
6.労務に関する相談
スタッフを雇用すると、気をつけていても、何かしらのトラブルがつきものです。
・遅刻が多いが罰則を与えられないものか
・退職金を払ってもらわないと困るとスタッフからつめられた
・パートにも有給休暇があるはずだ、と責められた
・未払残業代を請求された
など、院長だけで対応するには無理があります。
いざというときのためというのもありますが、そもそも揉めないためのルール作りを社労士に依頼されてはいかがでしょうか。
社労士はヒトに関する仕事ということで、本業ではないかもしれませんが、次のような分野でもサービス提供されている社労士さんもいらっしゃいます。
7.スタッフ求人、面接対応
8.人事評価制度
いかがでしたでしょうか。
歯科医院の開業、経営にとって社労士はなくてはならないパートナーです。