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歯科医院の開業ノウハウ「独自の強み、USPとは」


さて、今回はUSP(ユニーク・セリング・ポジション)についてお話したいと思います。

歯科医院経営にかかわらず、何かビジネスを行ううえでは「自社の強み」を明確にする必要があります。

私は普段、豊岡市の起業相談窓口で、一般の起業を考える方からの相談に応じています。
そこで必ず相談者さんに聞く質問が「あなたの考えるその事業の強みは何ですか?」というものです。

いきなり聞かれてパッと答えられる方は少なく、やはりじっくりと考え独自の強みを見つける、
ないしは作っていく必要があります。

自社の強み、これはビジネス用語で「USP(ユニーク・セリング・ポジション)」と呼ばれます。

簡単にいうと、「なぜ顧客は別の店ではなくあなたの店から商品を購入するのですか?その理由はなんですか?」ということです。

歯科医院経営においても、近隣に競合医院はたくさん存在し、
先生は何かしらの「選ばれる理由」を提供しなければ、
単に待っていても患者さんは来てくれません。

ではこの難しい設問にどう答えを出していけばいいのでしょうか、いくつか切り口をご紹介したいと思います。


1.利便性

患者が通院する歯科医院を選ぶ理由として一番わかりやすく強い動機となりえるのが、この利便性です。

具体的に例をあげると次のようなものです。

・駅から一番近い
・他の医院が閉まっている遅い時間にも空いている
・待ち時間が少ない
・予約が取りやすい
・小さな子供連れでも大丈夫なようにオムツ交換台があったり保育士が常駐していたりする
・土足のまま入れる
・バリアフリー

ただ注意しなければいけないのが、患者の利便性を追求するがあまり、スタッフの労働環境が悪化したり、
家賃が高すぎて経営を圧迫したり、他の面でマイナスの影響が出てしまうことがよくあるということです。

患者、スタッフ、経営者、業者、地域、など各利害関係者の間でバランスを取り、
持続可能な状態で強みを設定する必要があります。


2.価格面

単に物販であれば価格面のメリットは協力な強みとなります。
例えば全く同じボールペンが文房具屋では200円、100円ショップでは100円で売っていたとすれば、誰でも100円ショップで購入します。

ただ、歯科医院に限っていうと、価格面の強みはなかなか押し出しにくいのではないでしょうか。

保険診療で料金が固定されていますし、自費価格の設定に関しては患者が相場を熟知していない場合が多いでしょうし、
やはり医療である以上、安全性や品質と合わせて患者は判断することになるからです。


3.品質面

やはり医療サービスである以上、品質面でアピールをすることは重要です。

例えば
・デンチャーに関しては経験豊富で得意
・インプラントで難症例にも対応できるだけの技術がある
・痛くない
・最新の医療機器を導入している
などです。

しかし、患者は実際の治療サービスを体験する前に通院する医院を選びます。
つまり、「治療がうまいかどうか」ではなく「治療がうまそうかどうか」
という視点での比較検討を行うのです。

治療技術に関する強みを打ち出す際は、根拠と合わせて訴求する必要があります。
ただし、医療法による広告規制、医療広告ガイドラインによる縛りもきついので、
そこは十分に注意しなければなりません。



4.その他、ソフト面

もっとも医院ごとに違いがでるのが、これまで挙げたもの以外のソフト面です。

例えば
・院長の雰囲気
・スタッフの雰囲気
・ロゴマークや内装デザインから伝わる雰囲気
・医院の治療、患者に対する想い
・地域に対する想い
といったものです。

一歩間違えると非常に抽象的な特長になり、強みとしては弱くなってしまいますが、
他の利便性や品質面のUSPとも絡めながら考えることで、医院独自の強みができあがります。



今回ご紹介した切り口を参考にしていただき、ぜひ先生の医院独自のUSPを考えてみてください。
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