さて今回は、「開業準備で、もっとこうすればよかった、と院長が後悔すること」をいくつかご紹介したいと思います。
分院展開をしている医療法人の理事長でない限り、例外なく全ての先生にとって、「はじめての歯科医院開業」をすることになります。当然、もっとこうすればよかったと開業後に後悔する部分が山ほど出てきてしまいます。
1.内装工事について
意外と多いのが、内装に関するものです。
・もっと予算を取ってこだわった作りにすべきだった
・数年すると配管に問題が…安いからと専門外の工務店に頼んだのは間違いだった
・導線をもっと考えておくべきだった
・収納をもっと作っておくべきだった
など、設計段階では気づかなかったポイントにも、実際に診療をスタートして初めて気づくことが多いようです。
歯科開業に精通した専門業者を選ぶこと、勤務先以外にも医院見学に行くこと、様々なシミュレーションをしてみること、などが開業準備の段階で重要になります。
2.運転資金が少なかった
かつては500万、700万あればスタート時の運転資金として問題ない時代もありました。しかし今は、最低でも1000万、厳しい立ち上がりが予想される場合は1500万くらいを手元に持った状態でスタートを切りたいものです。
運転資金が足りない場合、開業後すぐに追加融資を受ける必要がありますが、「計画」で審査をしてくれた開業前と違い、「実績」で審査される開業後の融資審査は格段に厳しいものになります。開業前から自己資金を十分に貯めておき、しっかりと運転資金を確保した開業ができるよう、気をつけましょう。
3.医院理念、マニュアル、広報ツール
融資や内装工事、医療機器選び、などは開業するうえで必須の項目です。しかし、開業後に差となって現れるのは、それ以外の部分。いわゆる第2領域と呼ばれる、「緊急ではないが重要なこと」をどれだけ準備できたかにかかっています。
例えば、医院理念を事前に固めていれば、それに共感する良いオープニングスタッフを採用できていたかもしれません。ホームページを開業後に充実させようと後回しにしたけど、忙しすぎてそのままになってしまうことも多いでしょう。意外と開業前に準備できることはたくさんあります。
今回は3つに絞ってご紹介しましたが、はじめての開業で失敗や後悔はつきものです。少しでもそのリスクを減らすために
・徹底的に情報収集を行う
・妥協せずに完璧な準備をする
をぜひしていただきたいと思います。